目次
サウンド傾向
超クール/弱ドン超シャリ/超解像/分離良好
おすすめ
情報量の多い打ち込みを聴きたい人/質感よりも解像度を重視する人/キレ・スピード感や攻撃的な刺激を求める人
合わないかも
長時間聴いたりリラックスしたい人/音に一体感を求める人/暖かい胴鳴りを求める人
印象
余韻を切り捨ててキレに命を懸けた超高速サウンド。スリムな像がクッキリと浮き上がる、ドライでハイテンションな世界。
このインプレは個人購入によるものです。細かめに聴き込んでレポートしているので、「ざっくりどんな音か知りたい!」という方は【⑦総評】以降だけ読めばだいたいわかります。

純正イヤピ・ケーブル使用。スマホ→iBasso Jr. Macaronで接続。50時間ほどエージングしました。
全体バランス
温度感
とてもクール。
メイン帯域
高域。バランスはややドンシャリだが明確に高域の解像感が主役。
第一印象
とてもクール。金属的な硬さとカラッカラなドライさに良好な粒立ちがハマっている。
音場・定位
横
並の広さ。はっきりとした壁に反響して返ってくるので抜け感はないが、かといって圧迫感も感じない。箱庭感があるため雰囲気がいい。
奥行き
やや独特。音像がやや小さめで遠くに感じなくもないが、定位そのものはかなり近い。金管は鋭く前に出る主張があるが、空間が崩れるほど前に出すぎたり後ろすぎたりしている帯域はない。楽器ごとの前後感をしっかり感じられる。
高さ
縦にはよく抜ける。横ほどの壁は感じない。
定位の正確さ
かなり正確。
音像サイズ
全域小さめ。高域だけ他より一回り大きめ。
輪郭・分離
全域くっきり。分離は非常に良い。
低域の質と量
量感
KZとしては少なめだが、おおむね適正。
質感
広がらずにステージを作るタイプ。締りが良い、とてもタイトな質感。圧縮された氷塊のような硬質さと冷たさ。
立ち上がり・キレ・制動
立ち上がり・制動いずれもとても良好で抜群のキレ。末端にだけはやや柔らかさがあり、ほんのりとした余韻もわずかに感じられる。
ボーカルへの干渉
まったくしない。単にドライバを分けただけではない、強い隔たりを感じる。そのため一体感はあまりない。
中域の質
ボーカル位置
芯も輪郭も自然な前。
透明感
とてもというほどではないが、なかなか透明。目の細かいすりガラスのような透明感と肌触り。人工的な感じもするが、耳当たりそのものは自然。
厚み・母音の伸び
ドンシャリゆえ地の厚みもなければ、低域との一体感もないため支えられている厚みもあまり感じないが、聴感上はしっかり中域が一人で立っている。滑らかでもあるが、代償にサ行は刺さる。伸びは余韻を残さずキレよく軽快だが、プツリとは切れずに最後まで粒が立つ。
高域の質
滑らかさ/粗さ/鋭さ
きついシャリつき。中域と比べて高域は明確に粗い。エッジは不快感ギリギリを攻めてとても鮮明で明るい。
刺さり感
刺さり方はやや独特。ピークはかなり感じるが、キレが良いため明確な痛さを感じる前に引くことがほとんど。ヴァイオリンなどの持続する類の高音はキレでカバーできず非常に不快な痛さ。
空気感・倍音の質感
とても金属的でドライ。かなり硬く余韻もあまり感じない音。鮮明さ・解像感は際立つ。倍音の強調は感じない。
ハイハット・金管の粒感と輝き
ハットはかなりアタック感が強いが、チップの大きさが分かるタイプというよりもシンバルの震えを感じられるタイプの解像感。金管は一歩引いて乾いた鳴り方をするため、鮮明な輝きや味わいはすくなめ。
疲労耐性
聴き疲れ原因
高域の刺さり。ダイレクトな不快感こそ少なめだが刺さりそのものはなかなかあるため、気づかないまま聴き疲れが蓄積するタイプ。
装着疲労感
シェルがとても大きいうえに純正のウレタンイヤピはやや耳を選ぶ。合わないと大変かも。個人的には問題なかったが交換推奨。
長時間使用への適性
蓄積に気づくまで。やや短め。

総評
かなり締りの良い低域、滑らかでエネルギー感のある中域、ド派手な高域の組み合わせ。
ボーカルの聴かせ方が非常に独特。前述のとおり厚みは全くないが、かわりに基音帯にとても強めのエネルギー感があってペラペラ・腰高には聴こえない。芯と輪郭が一体になったまま強く存在感を主張できている。
フルBA機で無理に低域を出して支えさせるよりも、低域は絞り気味のままにして中域の仕事でボーカルを立たせることを狙っているのだろう。透明感こそ人工的になっているが、多ドラらしさを存分に活かした音作り。定位に関しては特にBAを詰め込んだ効果が出せているところ。クロスオーバーがしっかりとれていて配置がズレないことと、絞った低域による見通しの良さの両方のメリットがよく出ている。
高域は量感と密度感でとても明るく情報量も多い。余韻を付け足したり倍音を演出して聴き味を出すことよりも、とにかく粒立ちを最優先して解像感を出している音。
楽しみ方は明確で、音の質感や余韻を味わうというよりは、情報量や粒立ち・解像感を楽しむタイプ。バランスとしてはドンシャリで個性的な味付けもされているので、情報量が多いと言っても分析的・モニターライクに無機質な音を聴くのではなく、しっかりと楽しみを提供してくれるタイプの音です。
聴きどころ
電子音が濁流のように飽和しきってもなお溢れてくるようなトラックで、その情報量をどう捌くかを見る・試すような聴き方がおすすめ。
狂気を圧力鍋で限界まで煮込んだ特濃スープを一気飲みしましょう。聴くというよりは鼓膜の耐久テストですが、きっと新しい世界が見えると思います。頑張ってください。
狂気を圧力鍋で限界まで煮込んだ特濃スープを一気飲みしましょう。聴くというよりは鼓膜の耐久テストですが、きっと新しい世界が見えると思います。頑張ってください。
スペック等
イヤホンタイプ: 16BA搭載インイヤーモニター
再生周波数帯域: 20-40,000Hz
インピーダンス: 19Ω
出力音圧レベル: 116dB±3dB
ピンタイプ: 0.75mm(2pin)
プラグタイプ: 3.5mm
ケーブル長: 120±5cm
- カテゴリー|イヤホン
- メーカー|KZ
- 価格帯|-5,000円
- メイン帯域|高域
- 音の温度感|クール
- 音場サイズ|中
- 音像サイズ|小
- 定位|正確
- 分離|良好
- 低域:量感|中
- 低域:質感|タイト
- 低域:タイプ|スピード系
- ボーカル位置|前寄り
- 透明感|ナチュラル
- ボーカルタイプ|輪郭型
- 伸び|あっさり
- 粗密・滑らかさ|粗い粗密・滑らかさ|鋭い
- 刺さり感|刺さりあり
- 空気感|金属的空気感|ドライ
- 倍音の質感|自然
- 得意楽器|打ち込み得意楽器|シンセ
- 入手形態|自費購入
- 記事の種類|レビュー・インプレ
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