Sennheiser IE200 インプレ|7mmDDが引き出す迫力のパノラマサウンド

サウンド傾向
中庸/ブライト/深いサブベース/透明な中域/滑らかで開放的な高域
おすすめ
自然で広大な音場を求める人/透明感のあるボーカル曲/地響きのような低域と空気感を両立したい人
合わないかも
芯の太い濃厚さを求める人/硬質なエッジや解像感を最優先する人/低域の支配的な広がりが苦手な人
印象
広がる重低音と抜けの良い高域を透明な中域が滑らかに繋ぐ。7mmDDが引き出す迫力のパノラマサウンド。

このインプレは個人購入によるものです。細かめに聴き込んでレポートしているので、「ざっくりどんな音か知りたい!」という方は【総評】以降だけ読めばだいたいわかります。
Sennheiser IE200 インプレ|7mmDDが引き出す迫力のパノラマサウンド
純正イヤピ・ケーブル使用。スタンダード(クローズ)ポジション。スマホ→HiBy R4で接続。100時間ほどエージングしました。
その他前提条件は当サイトの共通基準(固定環境・リファレンス曲)に基づきます。

全体バランス

ウォーム
クール
低域
高域
温度感
中庸。
メイン帯域
低・高域。
第一印象
上がとても明るく、音場広め。サブが独特な広がり方をする。

音場・定位

狭い
広い
定位:
不正確
定位:
正確
音像サイズ:
音像サイズ:
分離:
不明瞭
分離:
良好
広く壁も感じない。高域で広げるタイプの広がりだが非常に自然。
奥行き
しっかりとした整いをもって前で鳴っている。深さそのものは普通だが、整いの良さが感覚的に奥行きを深く感じる印象を引き出している。
高さ
吹き抜けて突き抜けるような開放感はないが、かなり高い天井で圧迫感はない。広いといってよい。
定位の正確さ
広い音場に楽器同士の間合感を持って、前後左右ともピタリと定位する。
音像サイズ
全域小ぶり。エネルギー感は失われていないため中サイズと言いたいところではある。音場の広さから相対的に小さく感じているだけかも。
輪郭・分離
上のほうがくっきりしている感覚もあるが、全域で丸めといってよい。エッジが潰れて解像感が失われるような甘い丸さではなく、聴きやすさが優先された丸さ。分離はおおむね良いが並の範疇。

低域の質と量

量感:
量感:
特大
タイト
ルーズ
スピード系
弾力系
量感
適正~やや多め。ほぼ過不足はないが最深部だけが独特な広がり方をするため、音圧の強い音源だと支配的に聴こえるかも。
質感
音源により、サブベースでも奥の奥だけが広い音場に広がって背景を満たす。満たされないタイプの音源もあるが少なめ。ミッドベースはややタイトに締まっているがガチガチの硬さではなく、バスケットボールのような硬めの弾力があるためバランス型といえる。
立ち上がり・キレ・制動
立ち上がりはいたって普通。制動はかかっているがビタ止めではなく、ややゆっくり気味に止めて余韻に味わいがある。
ボーカルへの干渉
サブが広がるかによるため、音源によりややありといえる。

中域の質

引き気味
前寄り
曇り気味
クリア
厚み型
輪郭型
伸び:
あっさり
伸び:
良好
ボーカル位置
定位も輪郭も中。優しめの強調で、基音と一体になっている。
透明感
クリア。澄んだ湧き水のような透明さ、柔らかさ、清涼感。サ行は刺さらないが、気にならない程度にやや滲みあり。
厚み・母音の伸び
ドンシャリゆえにあまり厚みは感じないが、かといって薄くペラペラにも感じない。中域に強い芯があるわけでもないため、とても不思議な聴こえかた。輪郭が飛び出しすぎないボーカルを、広がるサブが非常に上手く支えている。伸びは粒立ちこそ並だがどこまでもまっすぐ伸びていき、とても美しい。

高域の質

滑らか
粗い
丸い
鋭い
刺さり完全抑制
刺さりあり
有機的
金属的
ウェット
ドライ
自然
演出的
滑らかさ/粗さ/鋭さ
とても滑らかでエッジは丸いが、それ以上に量感多め。
刺さり感
広がるサブがしっかりマスクして、量感があるのに不快な刺さりやシャリつきは皆無。強いピークそのものもあまり感じない。眩しさだけが解像感になって残っている。
空気感・倍音の質感
高域の主張は強いが金属的な硬さやカリカリさはなく、明確に有機的な柔らかさ。響きもしっとりしておりとてもウエットな耳当たり。倍音はやや弦やシンセが光るが、演出としてみると中間の範疇。
ハイハット・金管の粒感と輝き
ハットのアタックの粒は強くハッキリと出るが、余韻は長からず短すぎないためバランス型といってよい。金管は非常に滑らか。やや膜感があり鮮明さはいまひとつだが、ボーカル同様に輪郭が飛び出しすぎていないのが好印象。滑らかさと合わさってとても優しい聴き心地。

疲労耐性

聴き疲れ原因
なしと言いたいが、ひとによっては高域の眩しさが気になるかも。
装着疲労感
なし。小粒で耳への収まりもいいし、耳掛けも曲げクセを付けやすいため疲労感は皆無と言ってよい。
長時間使用への適性
非常に長い。

総評

クローズポジションにおいては二面性のある低域、強調を抑えつつ透明な中域、明るく刺さらない高域の組み合わせ。制動をゆるめにしたドライバが全域にわたって音作りの主軸で、低域は広がるサブと適度な弾力、中域は美しい伸び、高域は滑らかさをバランスよく引き出している。
個性として最も特徴的なのは中域で、量感のある高域が強く引っ張って立たせたうえにサブが芯を支えてくれているために、厚みも芯もさほどないのにしっかりと強い透明感と存在感が出せている。ドンシャリ機はおおむねプレゼンスに頼ったボーカルの立たせ方をすることが多い中でそうせず、かつきわめてお手本のような中域の立たせ方をしている。
ボーカル帯域のわずかな滲みと金管の膜は弱点といえばそういえるが、中域は透明感と伸び・金管は滑らかさが引き出せており、フォローとして十分どころか引き出した要素によるメリットのほうが明確に大きく強い個性になっている。
低域も広がるサブに強い個性があるが、広がる帯域を最深部だけに絞って迫力を出すと同時に背景に回って広い音場の余白をうまく満たすことができており、高域の刺激もマスクできている。
総じて広い音場にピタリと定位させたうえでアクの強い各帯域をよどみなく滑らかに接続したチューニングの綿密さは、ドイツらしさ・ゼンハイザーらしさを存分に出した音としてまとまっている。
付記:デュアルチューニングシステム・ポジションについて
イヤピがクローズポジションのときはサブの主張が非常に強いが、オープンポジションにした際には強調がなくなり、とても見通しのいい低域に変化する。ミッドベースはオープンにすると明確に硬さが増して弾力型からキレ型になる。
音場もかなり広がるが背景を満たしていたサブがいなくなるうえに、クローズポジションの時点でも十分な広さを持って間合感があったため、相対的にかなりスカスカに感じてしまう。マスクがなくなることもあってマイルドな輪郭は鮮明にエッジが立つが、かわりに高域がかなり刺激的になる。
クローズポジションは迫力があるのに自然な聴かせかたをしてくれるため、耳当たりのよさという意味ではクローズのほうに分があるといえるだろう。とはいえオープン時の音場の広がり方、見通しの良さ、抜けの良さはハッキリ言ってズバ抜けて良い。また、そのわりに定位の正確さが失われない点も印象がいい。
あくまでも推測だが、元よりチューナーが聴かせたいと明確に意図をもってオープンポジションの音を目指したのであれば、オープンが標準状態になっているかもしくはクローズなど存在しない(オープン固定)ようになっていたのではないだろうか。どことなくクローズの音の自然さ・バランスの良さ・スタンダードポジションという別名からも、チューナーが調整の軸にしたのはクローズ側なのではないのかな、という印象を受けたため、記事もクローズポジション基準で執筆させていただきました。

聴きどころ

クローズポジションでも十分に広い音場に正確に定位するうえにダイナミックレンジと飽和耐性の高さも特筆ものですので、真正面からオーケストラに挑ませてみてください。
繊細な曲よりも、コントラバスが主張する力強いメロディーラインの曲で個性を立てる聴き方のほうが良いでしょう。
広がる最深部が土台になって引き出された雄大さの上に優しい中高域が乗ったときに、この機種の真の力を見ることができると思います。
 

アシタカせっ記(エンディング)|Joe Hisaishi - Topic|YouTube

アシタカせっ記(エンディング)
Joe Hisaishi – Topic

スペック等

イヤーカップリング: 外耳道
トランスデューサーの原理: ダイナミック
トランスデューサーのサイズ: 7mm
音響原理: クローズド
ジャックプラグ: 3.5 mm アングル
ケーブル長: 1.2 m
重量: 4グラム
周波数特性: 6 – 20,000Hz
インピーダンス(ケーブルなし/ケーブル付き): 16オーム/18オーム
音圧レベル(SPL): 119dB (1kHz、1Vrms)
全高調波歪み(THD): <0.08 %

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カテゴリー|イヤホン
メーカー|Sennheiser
価格帯|-20000円
得意楽器|ピアノ得意楽器|ボーカル得意楽器|ドラム得意楽器|バイオリン
入手形態|自費購入
記事の種類|レビュー・インプレ
 

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5103chことみ

投稿者プロフィール

​作り手の想いに敬意を払い、比較や採点ではなく、その機種だけが見せる「音の景色」を言葉にします。旅先での一期一会を楽しむように、音色の世界を綴るインプレッションです。

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