KZ EDC Pro インプレ|コスパ超越の表現力。おいしいトコを凝縮した一台

サウンド傾向
ドンシャリ寄り/中域伸び重視/やや前傾型/タイトな低域と自然な高域
おすすめ
ボカロ・打ち込み系を気持ちよく聴きたい人/中域の伸びと高域のナチュラルさを重視する人/安価でも“音楽らしさ”を味わいたい人
合わないかも
音場の立体感やリアリズムを求める人/艶や色気・質感フェチ/ベースラインを重視する人
印象
KZらしくない味付けが、価格からは想像できない表現力を引き出している。おいしいトコだけを取り出したような音。

KZ EDC Pro インプレ|コスパ超越の表現力。おいしいトコを凝縮した一台

このインプレは個人購入によるものです。細かめに聴き込んでレポートしているので、「ざっくりどんな音か知りたい!」という方は【総評】以降だけ読めばだいたいわかります。
純正イヤピ・ケーブル使用。スマホ→BQEYZ LINで接続。エージングは30時間くらいです。

全体バランス

温度感
中庸。音源や場所により温かさも感じる。
メイン帯域
低&高。ドンシャリだが凹み少なめ。
第一印象
柔らかい。横広がりあり。ベース引っ込み。

音場・定位

広がりは感じるがボーカル以外は音像が左右に分かれがち。中央に定位できても音像が大きくぼやける。
奥行き
浅く乏しい。
高さ
かなり近めに天井あり、音近い。横ほどの広がりはない。
定位の正確さ
ぼんやり。
音像サイズ
中央で結像したときは特大。左右分かれているときは中サイズ。
輪郭・分離
上は輪郭整いあり。分離もそこそこしっかりしている。中域は輪郭は残っているが分離が悪い。下はドラムの量感に押されてわかりにくい。

低域の質と量

量感
適正だがドラム極振りでズンズンくる。ベースを切り捨ててるのはある意味潔い。
質感
タイト。膨らみなし。
立ち上がり・キレ・制動
いずれも良好。サッと立ち上がりピタッと切れる。
ボーカルへの干渉
邪魔しない。

中域の質

ボーカル位置
中~前寄り。
透明感
透明というよりも透明に見えるような聞こえ方。ガラスのコップというよりは透明なアクリル板のような平面感。息遣いや鼻腔共鳴などの細部は追えないが雰囲気は良い。
厚み・母音の伸び
芯はあり質量感という意味での厚みもあるが、情報量が欠けて深みや色気はあまりない。伸びは突出しており余韻が心地よい。

高域の質

滑らかさ/粗さ/鋭さ
粗いがザラつきはない。ほどよく丸い。
刺さり感
皆無ではないがザクザク刺さるほどでは間違いなくない。個人的には気にならない。
空気感・倍音の質感
ナチュラル。味付け薄め。
ハイハット・金管の粒感と輝き
ハットは粒立ち良いが余韻はない。キレは良く、薄いアルミを叩いたよう。金管はピカピカ金色ではなく、落ち着きのある真鍮のよう。

疲労耐性

聴き疲れ原因
あまり聞き疲れしないが、敏感な人は刺さりが気になるかも。
装着疲労感
IEMなので考慮せず。
長時間使用への適性
長い。

総評

高域は解像感やシャープさ、中域はディテール、低域はベースと切り捨てるところを潔く切り捨ている。かわりに聴かせたいところ(高域の自然さ、中域の伸び、低域のドラム)を伸ばしており、ここについては価格からは想像のつかないレベル。この値段でボーカルを良く聴かせるにはどうすればいいのか工夫した感じが伝わってくる。
カリカリシャープな機種が多いKZらしからぬ味付けだが、切り捨てた箇所についても破綻している感じはない。うまくまとまっている。
アンダー1000円で中域が厚い機種というだけで間違いなく存在価値がある。銀ピカハウジングは安物感がないのも嬉しいところか。

聴きどころ

何に合うかって?間違いなくボカロ。
みきとP 『 ロキ 』 MV|みきとP mikitoP OFFICIAL|YouTube

みきとP 『 ロキ 』 MV
みきとP mikitoP OFFICIAL

 

初音ミク 岬めぐり ※ニコ動より転載|mikugazer|YouTube

初音ミク 岬めぐり ※ニコ動より転載
mikugazer

 

打ち込みメインで音場が求められない、奥行きや音像のリアリティが前提になっていないことや、中域も質量感があれば十分で、人間の息遣いや艶といったEDC proに足りない部分が気にならないのがいいですね。伸びのよさもそのまま味わえます。

スペック等

製品モデル: EDC Pro
周波数範囲: 20~40000Hz
インピーダンス: 23.5オーム
プラグタイプ: 3.5mm
感度:108dB
ピンタイプ: 0.75mm
ケーブル長さ:120 ± 5cm
ケーブルタイプ: 銀メッキケーブル/OFCフラットケーブル

公式サイトより引用

KZ EDC Pro インプレ|コスパ超越の表現力。おいしいトコを凝縮した一台

Linsoul KZ EDC Pro高感度ドライバーが搭載するハイエンドHiFiダイナミックイヤフォン 広いダイナミックレンジを実現する高感度ドライバー 音のディテール解像度 精巧な外観デザイン 2種類のケーブルバージョンを提供 シンプルで実用的かつ環境に配慮したパッケージングを採用する中華製イヤホン(無酸素銅ケーブル-マイク無し)

カテゴリー|イヤホン
メーカー|KZ
価格帯|-1,000円
メイン帯域|高域メイン帯域|低域
音の温度感|ニュートラル
音場サイズ|中
音像サイズ|大
定位|不正確
分離|不明瞭
低域:量感|大
低域:質感|タイト
低域:タイプ|スピード系
ボーカル位置|中
透明感|ナチュラル
ボーカルタイプ|バランス型
伸び|良好
粗密・滑らかさ|粗い粗密・滑らかさ|丸い
刺さり感|刺さりなし
空気感|中間
倍音の質感|自然
得意楽器|打ち込み得意楽器|シンセ得意楽器|ドラム得意楽器|ボーカル
入手形態|自費購入
記事の種類|レビュー・インプレ
 

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投稿者プロフィール

手に取った機種ごとにまったく違う世界を垣間見て、その瞬間を言葉にすることが大好きです。レビューというよりは世界に触れた感想の切り出し。インプレッションをつづります。

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