KZ ZVX Pro インプレ｜メカメカしい外観そのまま、痛快クールサウンド

サウンド傾向

ドンシャリ（低域・高域メイン）／クール系／やや鋭め

全体バランス

温度感

クール。

メイン帯域

低＆高。ドンシャリ。

第一印象

鋭いが干渉せずにまとまっている。

音場・定位

横

広めだが無理やり広げている感じがある。

奥行き

浅く近い。

高さ

縦の抜けはよく、横のような無理やり感は薄い。

定位の正確さ

音像に押されて分かりづらい。

音像サイズ

大きめ。

輪郭・分離

下はもんわりボケボケ。中～高域の音像はくっきりしており分離もよい。

低域の質と量

量感

多めで押し出しあり。

質感

膨張気味で音像が大きい。意図的にそうしてるような聞こえ方。

立ち上がり・キレ・制動

制動されている感はあり、大きい音像を出すがままにしてはいない。

ボーカルへの干渉

輪郭がぼやけているのでいい意味で邪魔しない。

中域の質

ボーカル位置

中。抜けてくるが情報の密度には欠ける。

透明感

クリア。ガラスと言って問題ない。膜感もない。

厚み・母音の伸び

薄く艶もないが、かわりに透明な張りがある。瑞々しさといってよい。一番伸びて欲しいところよりわずかに上に伸び感があり、凹みを誤魔化すようでもあるが印象はいい。

高域の質

滑らかさ／粗さ／鋭さ

全体的に滑らかだが刺さるところだけピンポイントでシャープ。

刺さり感

音源によってはチクチク刺さる。

空気感・倍音の質感

金属的。カッチリしていてムードには欠けるが解像感がある。

ハイハット・金管の粒感と輝き

ハットは粒立ちは少ないが響きと余韻が良い。金管は痛いくらい刺さる。日本刀の切っ先みたい。

疲労耐性

聴き疲れ原因

高域の刺さり。

装着疲労感

重いがカナル型のため減点せず。

長時間使用への適性

音源次第では刺さりがきつく、長時間は耐えかねる。

総評

設計レベルや完成度の高さを感じる。前に抜けてくるボーカル、ぼやける大きい低音、適度にシャリつく高音が、お互い干渉せずにまとまっている。好みとは違う音だけど聴かせ方の上手さが痛快で、つい手に取ってしまう。あまりにコスパが高すぎる。

DACやドングル使うよりもスマホ直刺しとかワイヤレスユニットのほうが刺さりが減って聴き疲れしないかも。エッジの効いたメカメカしい外見は厨二心がくすぐられる。

聴きどころ

鋭さとクリアな張りを活かせるようなスピード感のあるジャンル、具体的にはユーロビートなどに向いているのは言わずもがな。キックの効いた低音をグッと前に押し出す力強さがあるため、特にシンプルで速いビート構成のトラックは音そのものが加速していくような感覚を味わえるでしょう。
中域の情報を詰め込みすぎずにボーカルが透明に抜けていくような曲も質感との相性がよく、思わぬ立体感と抜けを感じられると思います。

Initial D – No One Sleep In Tokyo

chaver28

プリンセスプリンセス　『世界でいちばん熱い夏』

プリンセスプリンセス official YouTube channel

密度感のない中域の鳴らしをするのでボーカル曲への期待は正直低かったのですが、うまく瑞々しさを発揮できると伸びのわざとらしさがまるで気になりません。熱い夏の歌詞がクールに耳に入ってくると、逆に内に秘められた熱量がより熱く伝わってきます。

合うジャンルの曲の中からより合う1曲を探すより、特性や質感からマッチする曲を探す方が意外性が楽しめて面白いと思います。ぜひ合うトラックを探してみてください。

スペック等

感度: 105±3dB
周波数: 20 – 40000Hz
インピーダンス: 18+3Ω
プラグタイプ: 3.5mm
ケーブルタイプ: OFCフラットケーブル
ケーブル長さ: 120+5cm
装着タイプ: インイヤー

公式サイトより引用

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