目次
サウンド傾向
弱ドン強シャリ/ソリッドでタイトな低域/繊細でクリアなボーカル/自然に抜ける柔らかめの高域
おすすめ
音場の立体感や定位の良さを味わいたい人/弦や金管の芯と響きをじっくり楽しみたい人/ジャズやホール感あるライブ音源を聴きたい人
合わないかも
厚みや温かみを重視する人/自然さ優先のリスナー
印象
現代的なバランス感でチューニングされた、ソリッドな低域土台に繊細なボーカルと自然な高域が広い空間で響くサウンド。
このインプレは個人購入によるものです。細かめに聴き込んでレポートしているので、「ざっくりどんな音か知りたい!」という方は【⑦総評】以降だけ読めばだいたいわかります。

純正イヤピ・ケーブル使用。スマホ→BQEYZ linで接続。150時間ほどエージングしました。
全体バランス
温度感
クール。
メイン帯域
中・高域。バランスは明確にドンシャリだが低域はスッキリタイトで、聴感上の軸は下にはない。
第一印象
締まった低域とややエコーがかったボーカル。弦のアタックと輪郭がとても力強く、ウッドベースの表現が実にいい。
音場・定位
横
二重構造。低域のステージは締まりよく広がらず、高域の空気感は広がる。広がりにはさほど演出感はなく自然に感じるため、個人的には広いと言いたい。人によって印象が分かれそう。
奥行き
横同様に二重。自然な深さを感じ、しっかり前で定位する。
高さ
圧迫感は感じない。高い天井に自然に反響する。
定位の正確さ
ステージ・空気感いずれも、前後感も含めて大変正確。1DDの強みがしっかり出ている。
音像サイズ
若干小さめ寄りの中サイズ。
輪郭・分離
輪郭は強調も気だるさも過不足なし。とても自然なクッキリさで非常に聴きやすい。分離は下がやや甘めだが上はなかなか。総じて並。
低域の質と量
量感
適正~やや多め。空間を占めるというよりも、低重心で強めの足場を作るタイプ。
質感
タイト。強めの芯が太く硬く広がらない。ゴムのような張りというより、金属球を硬い床に落としたときの振動のような、かなりソリッドな質感。
立ち上がり・キレ・制動
いずれも速い。震える金属球を手で触って止めたときのように、余韻を一切残さずスパッとキレる。
ボーカルへの干渉
なし。
中域の質
ボーカル位置
定位は中~わずかに引き気味で、そこから輪郭だけが耳元まで抜けてくる。見通しが良くホールのような反響もあって、ステージに立っているのが見えるよう。
透明感
クリア。やや腰高だが頼りなさではなく繊細さが出せている。かなり表現が細かいがリバーブ的反響はやや演出的。とはいえほとんどの音源は清涼感だけ残してさほど違和感はない。弦の表現がなかなかうまく、強いアタックと輪郭で聴かせてくれる。
厚み・母音の伸び
厚みはないが、そのかわりの繊細な表現力。芯は細いがしっかりある。伸びは並みだがとてもなめらか。わずかに盛られてる印象はあるが、生々しい息継ぎも聴こえる。
高域の質
滑らかさ/粗さ/鋭さ
やや滑らか寄りでエッジは丸い。粒立ちによる解像感はしっかりあるが、鋭さよりは柔らかさを感じる。シャリつきはそこそこある。
刺さり感
刺さり少なめ。高域は全体的に持ち上げ気味で、ほとんどの音源で強いピークは感じづらい。
空気感・倍音の質感
空気感はほぼ中庸。あえて言うならわずかにウエット。倍音はなかなか自然。脚色されている雰囲気を感じなくもないが、コロンのようなうっすらとした香り付けだろう。
ハイハット・金管の粒感と輝き
ハットはなかなかアタック強め。余韻はブレス同様にふわりと漂う。金管は太い芯がどっしりと定位して、輪郭と一体になって響く。とても滑らかで自然な黄金の輝き。
疲労耐性
聴き疲れ原因
高域のシャリ付き。
装着疲労感
少なめ。金属製だが軽い。
長時間使用への適性
中~やや長め。
総評
音場の広さ・深さと定位の正確さが印象的。配置が見通せるような立体感がある。
低域は個性的な超硬質・ソリッドサウンド。上を聴かせるための土台作りに徹しており、やや独特だが狙いは明確で扱いづらさはない。対して高域は量感はあるものの強い個性は抑え気味。聴きづらさを抑えて空気感を広げることにフォーカスしている。これもやはり目的意識がはっきりしており実に素直。
中域は厚みこそないが、見通しの良い土台と滑らかな高域のおかげで相対的によく粒立つ。高域で広い空間を作り、ソリッドな低域はアーティストが立つステージを小さめに作って、その上で繊細にボーカルを鳴らす音作り。
低域は個性的な超硬質・ソリッドサウンド。上を聴かせるための土台作りに徹しており、やや独特だが狙いは明確で扱いづらさはない。対して高域は量感はあるものの強い個性は抑え気味。聴きづらさを抑えて空気感を広げることにフォーカスしている。これもやはり目的意識がはっきりしており実に素直。
中域は厚みこそないが、見通しの良い土台と滑らかな高域のおかげで相対的によく粒立つ。高域で広い空間を作り、ソリッドな低域はアーティストが立つステージを小さめに作って、その上で繊細にボーカルを鳴らす音作り。
ボーカルの反響は現代音楽的なミックスではそのまま広さに繋がるが、古いマスタリングだと音源とダブルでエコーがかって、ややくどく聴こえることもあるかも。そういう意味ではしっかりと時代や需要に合わせたチューニング。実にCCAらしくまとまっている。
聴きどころ
二重構造の独特な音場とそこにしっかり定位することが明確なメリットなので、まず第一に立体感のある音源がいいでしょう。
静かでムーディーなジャズ、特に力強いベース・太い金管・繊細なピアノという各帯域の特徴がしっかり立つようなトラックでは、各楽器の間合感をしっかりと描写してくれます。
一方でアイドルのライブ音源も実におすすめ。会場スピーカーから拡散したボーカルの響きが腰高な特性と相性が良く、とてもリアルな空気感を再現してくれます。音場の構造とも噛み合い、自分も会場にいるかのような一体感で楽しく聴けると思います。
スペック等
ドライバー口径: 10 mm
再生周波数帯域: 20–40000 Hz
感度: 108 dB
インピーダンス: 33 Ω
プラグタイプ: L-shaped
コネクター: 3.5 mm
接続方式: Wired
AK HiFi Audio Store(購入店)より引用。
- カテゴリー|イヤホン
- メーカー|CCA
- 価格帯|-5,000円
- メイン帯域|高域メイン帯域|中域
- 音の温度感|クール
- 音場サイズ|広い
- 音像サイズ|中
- 定位|正確
- 分離|並
- 低域:量感|中
- 低域:質感|タイト
- 低域:タイプ|スピード系
- ボーカル位置|中
- 透明感|クリア
- ボーカルタイプ|輪郭型
- 伸び|中間
- 粗密・滑らかさ|滑らか粗密・滑らかさ|丸い
- 刺さり感|刺さりなし
- 空気感|中間
- 倍音の質感|中間
- 得意楽器|金管得意楽器|バイオリン得意楽器|ベース得意楽器|ギター得意楽器|ピアノ
- 入手形態|自費購入
- 記事の種類|レビュー・インプレ
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