目次
サウンド傾向
ドライ寄り中庸/超制動・超速の低域/立体的なボーカル
おすすめ
ボーカルの立体感を味わいたい人/速めのアニソンやポップスを好む人/キレと見通しの良い低域を求める人
合わないかも
派手な煌めきや余韻を求める人/音に温かみや一体感を求める人
印象
3つのドライバを完全にコントロールして映し出す歌声のホログラム。美しさと制動が融合した立体的なリスニング機。
このインプレは個人購入によるものです。細かめに聴き込んでレポートしているので、「ざっくりどんな音か知りたい!」という方は【総評】以降だけ読めばだいたいわかります。

シルバーモデル。純正イヤピ・ケーブル(4.4mm)使用。スマホ→iBasso Jr. Macaronで接続。100時間ほどエージングしました。
全体バランス
温度感
中庸。上はちょっとクール。
メイン帯域
中域・高域。バランスとしてはドンシャリだが、聴かせたいのは上に感じる。
第一印象
けっこう前傾な音場。見通しと存在感を両立しているキレのいいサブ。高域は繊細で広く、粒立ちも細かい。迫力のある美音。
音場・定位
横
非常に広く自然。広すぎに感じるくらい壁を感じない。
奥行き
かなりしっかり奥行あり。中~高域はとても近いが、しっかりと全帯域が前で鳴っている。
高さ
横同様にかなりよく抜ける。天井はうっすらと感じるがとても高い。
定位の正確さ
前後はドラムが金管よりも前にいてやや不自然。左右はとても正確なため、かえって前後の違和感を強調してしまっている。総じて並。
音像サイズ
やや小ぶり。広い空間に楽器同士の余白・間合間を感じられて雰囲気がいい。
輪郭・分離
全域くっきり。上は特にくっきりしているが鋭い痛さはない。分離も同様に良好で特に上が細かい。

低域の質と量
量感
多めだが支配的ではない。
質感
タイトだが独特。厚いサブと太い芯が広がってすぐ止まり、凄まじい速さで引いていく。かなり硬質だがステージを作るタイプではなく背景を満たすタイプ。制動が効くまでの一瞬で存在感を出して、紙芝居のように跡形もなく消え去る。
立ち上がり・キレ・制動
立ち上がりもなかなか速いが、それ以上に制動が非常に強力。とてもキレがいい。
ボーカルへの干渉
なし。サブが膨らむのに制動が効いて、見通しがとてもいい。
中域の質
ボーカル位置
すっきりした低域のため凹みを感じさせず、やや前寄りの定位。強調された輪郭がさらにそこから前に抜けてくるので、基音とはやや層感を持ってバラケている。とはいえ耳元で聞こえるというほどの強調ではなく、適度なプレゼンス。
透明感
角を落としたプリズムのよう。シャープで曇りないガラス質だが、触っても切れない安心感がある。上澄みにはキラキラとした輝きもあるが、かなり滑らかなうえにサ行の刺さりは一切ない。
厚み・母音の伸び
ドンシャリゆえに地の厚みはないが、芯が力強いため頼りなさはなく、繊細な表現もしっかり拾い上げて印象がいい。キレ寄りで伸びはややあっさりしているが粒立ちは非常に細かく、声を出し切った後に唇を結ぶ気配まで感じられる。
高域の質
滑らかさ/粗さ/鋭さ
粗めだが苦しさはない。エッジは鋭いというより太く力強くハッキリ。バリやざらつきを抑えて派手な煌めきは控えめ。
刺さり感
ピークは感じるが苦しい刺さりは一切ない。嫌なところをうまく抑えてシャリつかせず、平面特有の粒立ちで解像感だけ適度に引き出している。
空気感・倍音の質感
減衰が速くキレがあるためややドライな空気感。金属的か有機的かで言うと有機的だが、やや特殊。カリカリ感こそないが明確に硬質で、乾燥した硬い木のよう。倍音はとても自然。
ハイハット・金管の粒感と輝き
ハットは余韻短めだが時間のわりにとてもしっとりして優しい響き。アタック感もマイルドだが頼りなさはない。金管はかなり芯が力強い。ごくわずかに膜感があるが、その膜が拡散を抑えて非常に強いエネルギー感がある。
疲労耐性
聴き疲れ原因
あまりない。快適。
装着疲労感
やや大きく重いためそこそこ。
長時間使用への適性
やや長め。

総評
3つのドライバの強みだけを引き出しつつも調和させているのが特徴の音作り。
もっともその特徴を感じられるのはボーカル帯域の定位で、基音と輪郭の間はかなり狭いが層感がある。音源にもよるが音場の最奥を0、耳元を100としたら65-70くらいに基音のレイヤーがあって、73-80くらいに輪郭のレイヤーが面になってあるような聴こえ方。
もっともその特徴を感じられるのはボーカル帯域の定位で、基音と輪郭の間はかなり狭いが層感がある。音源にもよるが音場の最奥を0、耳元を100としたら65-70くらいに基音のレイヤーがあって、73-80くらいに輪郭のレイヤーが面になってあるような聴こえ方。
前に出る輪郭の立ち上がりが非常に速いことと、レイヤーをまたいで1本の芯が強く通っているために、層が立体感をもってボーカルの音像を浮かび上がらせている。素材の異なるドライバーを上手く組み合わせて実現した立体感で、厚みがないのにそこにいるように感じられる新鮮さは、いい意味とても精緻なホログラムのよう。
さもデメリットかのようにバラけているとか層とかレイヤーとか言いはしたものの、全帯域クロスオーバーが甘いということは一切ない。音のつながりそのものは非常に滑らか。
さもデメリットかのようにバラけているとか層とかレイヤーとか言いはしたものの、全帯域クロスオーバーが甘いということは一切ない。音のつながりそのものは非常に滑らか。
低域はレスポンスの良い素材の小径ドライバでしか出せないタイプの凄まじいキレ。サブベースの量感を瞬間的にドカン!と出してすぐ引かせるので迫力と見通しのよさが両立できている。キレイなボーカルを妨げず、そのうえでサブベースの質量感もしっかり感じられるようにした欲張りサウンド。
高域の粒立ちは平面らしく非常に細かいうえに、立ち上がりが速くキレもある。減衰も速いがボーカルから楽器までピタリプツリではなく、とても滑らかでしっとりとしたままフェードしていく。広い音場と組み合わさると、深海に沈み溶けていくようで非常に美しい。
ボーカル帯域にクロスオーバーを持ってきているようだが、かなり入念にチューニングを詰めないとここまで美しく滑らかには聴こえないだろう。設計のレベルの高さと狙いの音を決めて完成させた意志の強さ・情熱を感じる。
総じて原音再現という視点で見るとあまり忠実とは言えないが、美音としてみたときには非常に整いをもっている音。
きわめて現代的なアプローチでまとまった、ボーカルに強いリスニング機です。
総じて原音再現という視点で見るとあまり忠実とは言えないが、美音としてみたときには非常に整いをもっている音。
きわめて現代的なアプローチでまとまった、ボーカルに強いリスニング機です。
聴きどころ
生楽器の生録音よりは打ち込みの音が重なったりサブベースが主張する現代的なミックスで、持ち前のボーカルを立てる聴き方がいいでしょう。要は現代のアニソンが本領です。
楽曲に強い色を付けるのではなく、楽曲が持つエネルギーをホログラムにして投影してくれます。つまりこの機種だけの世界に連れて行ってくれるというよりも、聴いた曲の世界に連れて行ってくれるタイプです。
元気で見通しのいい音という骨格はしっかりとあるので、せっかくなら世界や未来を明るく唄う歌詞を流してみてください。Nozomiと一緒にポジティブな世界へ飛び出していけることでしょう。
そうすればきっと現実でも未来へ走り出したり、誰かの翼になる勇気が貰えると思います。
そうすればきっと現実でも未来へ走り出したり、誰かの翼になる勇気が貰えると思います。
スペック等
モデル名: NOZOMI
インピーダンス: 15Ω
感度: 90dB ±2dB
周波数特性: 20Hz – 20kHz
プラグタイプ: 3.5mm / 4.4mm(交換式)
ケーブル長: 1.25m ±3cm
シェル素材: CNC削り出しアルミニウム合金重量(片耳): 10g ±2g
装着スタイル: 耳掛け式インイヤーデザイン
コネクタタイプ: 0.78mm 2ピン
シルバーケーブル芯線: 古河電工製 銅線(線径 1.8mm)線数: 100本 × 4芯(合計400本)
パープルケーブル芯線: 古河電工製 銀メッキ銅線(線径 0.04mm)線数: 200本 × 4芯(合計800本)
CVJ NOZOMI IEM イヤホン 有線/磁気吸着式交換パネル+3ユニット中華イヤホン+0.78mm 2ピンプラグ設計 + 3.5mm/4.4mm 交換可能プラグ + 交換可能チューニングチューブ+CNAチャンバー+4芯編組古河銅線材モニターイヤホン(銀)
- カテゴリー|イヤホン
- メーカー|CVJ
- 価格帯|-20,000円
- メイン帯域|高域メイン帯域|中域
- 音の温度感|ニュートラル
- 音場サイズ|広い
- 音像サイズ|小
- 定位|並
- 分離|良好
- 低域:量感|大
- 低域:質感|タイト
- 低域:タイプ|スピード系
- ボーカル位置|前寄り
- 透明感|クリア
- ボーカルタイプ|輪郭型
- 伸び|中間
- 粗密・滑らかさ|粗い粗密・滑らかさ|中間
- 刺さり感|刺さりなし
- 空気感|有機的空気感|ドライ
- 倍音の質感|自然
- 得意楽器|シンセ得意楽器|ピアノ得意楽器|ボーカル
- 入手形態|自費購入
- 記事の種類|レビュー・インプレ
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