目次
サウンド傾向
強ドン中シャリ/超前傾/強烈アタック低域/情報量多めの平面高域
おすすめ
リアリティより勢いを重視するリスナー/押し出しの強いボーカルが好き/スピード感のある曲
合わないかも
自然な定位や生音を求めるリスナー/厚みや落ち着き・実体感がほしい/情報過多に弱い人
印象
DDのパワーと平面の情報量を極端に掛け合わせた独特の世界。破綻ギリギリを走りながらも成立している、攻めすぎなくらい個性的なサウンド。
このインプレは個人購入によるものです。細かめに聴き込んでレポートしているので、「ざっくりどんな音か知りたい!」という方は【⑦総評】以降だけ読めばだいたいわかります。

低域拡張版スイッチ付き(Bass Improved with SW)。スイッチ1111(オールON)。
純正イヤピ・ケーブル使用。スマホ→audirect ATOM4で接続。100時間ほどエージングしました。
全体バランス
温度感
中庸寄りだが、上は明確にクール。
メイン帯域
低域・高域。ドンシャリ。
第一印象
超前傾。低域とボーカルが芯も輪郭も非常に前。
音場・定位
横
音像が左右に分かれてわざとらしさはあるが、なかなか広い。
奥行き
とても近く平面的。
高さ
天井は低めに感じなくもないが、一定の抜け感はある。
定位の正確さ
不正確だが、ハナから無視する前提でまとまっているよう。
音像サイズ
全域大きめ。上だけ一回り小さい。
輪郭・分離
下はやや緩く、上にいくほどクッキリ。分離は全域で非常に良い。

低域の質と量
量感
多め。
質感
独特かつ二重。大きい音像の輪郭はルーズだが芯はかなり硬質でタイト。ベースラインは引っ込み気味で、バスドラムは強烈なアタック。
立ち上がり・キレ・制動
かなり二極的。立ち上がりは非常に鋭く強く、制動はほぼ効かせずに広がりを作るのでキレはないが、立ち上がりでスピード感をかなり強く作れている。
ボーカルへの干渉
やや被り気味だがベースラインがおとなしいため、存在感の割にそれほど苦しい干渉はない。
中域の質
ボーカル位置
定位は前で、輪郭はそれよりかなり前。ほぼ一体になっている。
透明感
おおむね透明。強調されていたり腰高になっていない、自然な透明感。超クリアではないがしっかりと清涼感がある。サ行はやや尖りがあるがさほど気にならない。
厚み・母音の伸び
広がる低域に支えられた厚みもあるが、それ以上に定位も輪郭も一体ゆえの密度感的厚みがある。伸びは非常に滑らかに減衰して最後まで粒が立ち、美しい。
高域の質
滑らかさ/粗さ/鋭さ
やや粗め。エッジは立っているがシャープさは程々。シャリつきはそこそこあるが、それ以上に粒立ちが非常によくとても情報量が多い。
刺さり感
ピンポイントに強い刺さりがある。音源によっては平面特有の細かい粒立ちが、剣山のように面でザクザクと来る。刺さらない音源では非常に細かい粒立ちや解像感だけ残して、丸みすら感じる。
空気感・倍音の質感
ドライでもウエットでもなく、中庸で金属的。あえて言うならややドライ気味か。倍音は自然で演出控えめ。
ハイハット・金管の粒感と輝き
ハットはアタック感もしっとりした響きも両方感じられるバランス型。金管は輪郭の張りはそこそこあるが、やや引っ込み気味。低域に食われてあまり眩しさや存在感はない。
疲労耐性
聴き疲れ原因
高域の刺さりより平面由来の情報量で頭がややパンクしそう。あとは低域の圧。
装着疲労感
なし。
長時間使用への適性
音源(高域)次第。中~やや短めか。

総評
迫力の低域・滑らかなボーカル・情報量の多い高域を、非常に速い立ち上がりでパワフルに接続させた音作り。
とくに低域はスーパーリニアDDらしくハイスピードな立ち上がりを持ちつつ、そこにありったけのパワーも注ぎ込まれて強烈なアタック感を作っている。量感はかなりあるものの、ボーカルへの干渉を抑えて存在感や個性だけ伸ばしているのがいい。
とくに低域はスーパーリニアDDらしくハイスピードな立ち上がりを持ちつつ、そこにありったけのパワーも注ぎ込まれて強烈なアタック感を作っている。量感はかなりあるものの、ボーカルへの干渉を抑えて存在感や個性だけ伸ばしているのがいい。
ボーカルがとても前に聞こえるのはDDのパワーが後押ししてくれているからだろうか。低域が前に出るのに、一緒にそれより前に出てくる存在感がすごい。
芯も輪郭もこれくらい前だと前で歌っているような臨場感が出そうなものだが、低域も前傾ゆえにあまりそう感じないのが非現実的でありつつも面白い。これはタイプの違う2ドライバが共存していなければできないタイプの非現実感だろう。中域・高域は平面らしく繊細で情報量が多い。特にボーカルの伸びはかなり美しく滑らかで、最大限に強みが出ているところ。コーラスの分離もかなり細かい。
芯も輪郭もこれくらい前だと前で歌っているような臨場感が出そうなものだが、低域も前傾ゆえにあまりそう感じないのが非現実的でありつつも面白い。これはタイプの違う2ドライバが共存していなければできないタイプの非現実感だろう。中域・高域は平面らしく繊細で情報量が多い。特にボーカルの伸びはかなり美しく滑らかで、最大限に強みが出ているところ。コーラスの分離もかなり細かい。
総じてDDと平面の2つのドライバの特徴をハイブリッドさせた、とても個性的なサウンド。生音やスピーカーでは絶対にしないタイプの音のため破綻していると言いたくなりもするが、音楽体験としてみるとこの機種独特の表現が一つの世界観としてまとまっている。
そういう意味では実に攻めた音作りをする中華イヤホンとして、しっかりと存在感を示せる機種といっていいでしょう。
そういう意味では実に攻めた音作りをする中華イヤホンとして、しっかりと存在感を示せる機種といっていいでしょう。
聴きどころ
非現実的な音を味わい尽くすのであれば、曲そのものも非現実的な勢いでゴリ押す系の曲がいいでしょう。
かなりノリ良く迫力もありつつ分離が細かいので、その勢いと粒立ちを活かせるような情報過多気味な電波ソングやコーラスのあるアイドル曲がおすすめ。
乱れ気味な音場や定位も、それがかえってハチャメチャな臨場感を盛り上げてくれて、楽しく聴けると思います。
かなりノリ良く迫力もありつつ分離が細かいので、その勢いと粒立ちを活かせるような情報過多気味な電波ソングやコーラスのあるアイドル曲がおすすめ。
乱れ気味な音場や定位も、それがかえってハチャメチャな臨場感を盛り上げてくれて、楽しく聴けると思います。
スペック等
周波数帯域:10–20000Hz
感度:103dB
インピーダンス:22〜28Ω(スイッチ使用時)
カラー:ブラック/シルバー
ピンタイプ:0.78mm
ケーブルタイプ:銀メッキケーブル
ケーブル長:120±5cm
装着方式:インイヤー
- カテゴリー|イヤホン
- メーカー|KZ
- 価格帯|-3,000円
- メイン帯域|高域メイン帯域|低域
- 音の温度感|ニュートラル
- 音場サイズ|中
- 音像サイズ|大
- 定位|不正確
- 分離|良好
- 低域:量感|大
- 低域:質感|中間
- 低域:タイプ|パンチ系
- ボーカル位置|前寄り
- 透明感|クリア
- ボーカルタイプ|バランス型
- 伸び|良好
- 粗密・滑らかさ|粗い粗密・滑らかさ|中間
- 刺さり感|やや刺さりあり
- 空気感|金属的空気感|中間
- 倍音の質感|自然
- 得意楽器|打ち込み得意楽器|ドラム得意楽器|ボーカル
- 入手形態|自費購入
- 記事の種類|レビュー・インプレ
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